Learn from Experience & Letter
経験者から学ぶ&交換留学派遣生からの便り

佐奈 佳梨那

イタリア

百聞は一見にしかず

佐奈 佳梨那さん

繊維学部 感性工学科
留学期間:2017年 9月 ~ 2018年 7月
留学先:ベネチア・カ・フォスカリ大学

留学先大学について

 交換留学先のヴェネチア・カ・フォスカリ大学はイタリアのヴェネチアにあります。ヴェネチア本島は世界遺産に指定されているので年中通して観光客が多い場所です。また、カ・フォスカリ大学には色々な国からの留学生がいます。特に日本、韓国、中国などのアジアの留学生が多いです。キャンパスは本島内で色々な場所に分かれています。大学は、語学系の学部が有名で日本語学科があります。日本人留学生はインターンシップとしてチューターとして現地学生に日本語を教えることもできます。そして、日本語だけではなく、英語やフランス語なども勉強でき、私はここでイタリア語を勉強していました。その他にも、カ・フォスカリ大学の留学生向けの英語で開講されている授業(School for International Education, SIE)があります。また、経済学部や経営学部では、大学院生用の授業は英語で履修できるものもあります。私にとって院生用の授業は難しかったので、カ・フォスカリ大学の姉妹校であるVIU(Venezia International University)で経済や経営学、社会学の授業を履修していました。ここで得た単位はカ・フォスカリ大学の単位として認められます。VIUの授業に参加している学生のほとんどは留学生で、たまにカ・フォスカリ大学の学生も参加しています。また、授業は少人数のものが多く(5~15人)、一つの授業で全員異なる国の留学生ということもしばしばありました。写真では、左から日本(アジア)、コスタリカ(南米)、イタリア(西欧)、ウクライナ(東欧)、イスラエル(中東)の学生で、その他にはルーマニア、スイス、フランスの学生がいました。色んな国の学生が集まると色んな意見が聞けるのでVIUの授業に参加してとても楽しかったです。VIUはヴェネチアからボートで10分ぐらいのところにあります。さらに、カ・フォスカリ大学、VIU以外にもluavという美術大学があります。私はファッションに興味があったので、luavで行われている講演会や授業に参加していました。しかし、色々なキャンパス、大学で授業に参加するためには、場所が離れすぎているので、移動時間を考慮しないといけません。

学習面について

 写真は、VIUにあるヴェネチア本島行ボート乗り場です。ここからの夕焼けはとても綺麗でした。私は、カ・フォスカリ大学よりVIUの授業を前期後期合わせて沢山履修していました。その理由は、VIUのほうが、教授が親身になってくれるから、少人数クラスで友達が作りやすいから、一発勝負の試験よりプレゼン、毎回のレポート、出欠席で評価してくれるからです。なので、さぼると周りにばれやすいし、成績にも直結するので、授業にちゃんと参加することができました。VIUで面白かった授業は、前期では、ヴェネチア内の教会を巡る授業が楽しかったです。冬だったのでとても寒かったですが・・・。後期は、ジェンダーの授業を履修していて、ファイナルレポートでLGBTの友だちにインタビューしたのが勉強になりました。カ・フォスカリ大学ではイタリア語の授業を冬休みあたりから履修していました。レベルごとにわかれていて、毎年夏休みと冬休みに有料の特別クラスがあり、私は冬休みにA2のクラスに参加して後期からB1のクラスに参加しました。有料ですが、独学より習得でき、話す機会も増えるのでイタリア語がより上達できました。さらに、CILSというイタリア公式のイタリア語検定を一般受験料より安く受けられるので、6月にB1のレベルを受けました。

生活について

 留学生活で一番苦労したのは生活面でした。写真でもわかるように、私は寮でもホームステイでもなく、現地の学生とシェアハウスをしていました。私以外イタリア人という環境で、まず言葉が通じないし、生活や文化が違うのでとても大変でした。特にルームメイトのメリッサは、個性が強すぎて毎日喧嘩をしていました。(笑)でも住み続けた理由は、どんなに喧嘩してもイラついても結局、イタリア人が優しかったからです。パーティーを開くときも、私だけ外国人なのに毎回誘ってくれました。次の日テストで参加できないときもピザやワインを取っておいてくれて、今考えると、とても優しい人たちでした。さらに留学当初、アパートの近くのバーに一緒に行ったり、スーパーの場所を教えてくれたりもしました。寮のほうが住みやすいのかもしれませんが、私はシェアハウスをしてよかったと思います。

 大学の授業がない日は、時間とお金が許す限りたくさん旅行しました。(10か国以上、イタリアは8都市)たぶん留学生の中で一番旅行をしたと思います。ただ遊ぶのだけではなく、現地に住んでいる人や留学している友達のところへ行きました。また、自分の興味のあるファッションに関わる美術館、学校、イベントなど手当たり次第色々な場所へ行きました。時には辛いときもありましたが、旅をして多くのことを学びました。

留学で得たこと

 タイトルにも書いてあるように「百聞は一見にしかず」ということを学びました。イタリアに行く前、私はイタリア、ヨーロッパ、外国に対する固定観念が強かった気がします。例えば、イタリアはスリが多い、イタリア人男性はプレイボーイが多い(笑)などなど。でも実際は、スリが多くてもそれを本気で助けてくれるおじいちゃんがいたり、イタリア人男性は真面目だったり。日本にいたときネットや先輩の話で聞いたことは100%事実ではなく、実際に自分が見て経験してやってみないと分からないということに気づかされました。辛いことも嬉しいことも楽しいことも哀しいことも実際に自分が留学先で失敗、成功しないと分からないと感じました。また、自分の可能性は無限大だと思いました。そう思う理由は、留学する前に私は10か月間の留学のなかで簡単なことから難しいことまでやりたいことリストを作っていましたが、最近、それがすべて達成されていたことに気づいたからです。中には一人ではできないこともあったので驚きました。やりたい気持ちがあれば、人間ってなんでもできるのだと思いました。

 また、留学先で他の日本人留学生含め多くの人と知り合え、大切な友だちができたのも大きな収穫でした。まだ紛争が続いている地域からの留学生と話せたのも良かったです。また、LGBTの友だちができたのも自分の中で大きな成長だと思います。

後輩へのアドバイス、信州大学へのメッセージ等

 留学は楽しいことだけではなく辛いことも沢山あります。こんなはずじゃなかった・・・と思うときが良くも悪くもあります。ただ、少なくとも留学をしたら留学をしなかった人よりは成長できます。その理由は、留学をしてみたらわかると思います。留学したいけど、お金がないから、時間がないからという人は、諦めないで、ぜひ挑戦してみてほしいと思います。私も時間もお金もありませんでした。留学資金はほとんど自分で借りました。でもそんなことを考える暇がないほど、留学をすると多くのことを学ぶことができます。留学をしてみて留学をするなら若いうちが良いと思いました。その理由は、体力もそうですが若いうちのほうが、固定観念がないので海外で学んだ新しいことをそのまま吸収することができるからです。それは大きな成長につながると思います。もちろん短期留学だけではなく、語学留学やワーキングホリデーなど海外に行く様々な手段があります。留学に興味がある人は是非様々な方法を使ってチャレンジしてほしいと思います。

 最後に、留学準備・留学中支えてくださった信州大学グローバル教育推進センターの皆さん、奨学金取得でお世話になった繊維学部の学務の皆さん、ありがとうございました。